4:身近なところに敵がいる

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シルバーのピアスが、茶色い髪の奥から姿を現して瞬いた。 小さくてシンプルな丸いピアス。 どこにでもありそうな、何の変哲もない、ピアス。 しかし、真理子は突然心臓を鷲づかみにされたような気がした。 「真理子?」 孝が眉を潜めて真理子を見る。 しかし彼女が、なんでもないというように首を横に振ると、彼は何も言わずに、また手を動かし始めた。
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