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カーテンも閉めずにいる部屋は、街灯の光を受けて明るさを保っている。
真理子は横になったまま、目だけを動かして、部屋の中を見回した。
タンス、姿見、机……。
部屋の明かりよりも、青白い街灯の光を浴びているせいか、家具がいつもよりも寒々としてみえる。
どこか他人行儀で、よそよそしい空気を纏いながら、彼女を見下しているようだ。
真理子はなにか違和感を覚えながら、それらを一つひとつ眺めていたが、机まできたところで不意に目をとめた。
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