4:身近なところに敵がいる

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引き出しはどれも、きっちりと閉められたままだ。 真理子は伸びをしながらベッドから起き上がると、引き出しを触ってみた。 もちろんどれも、ぴったりと奥まで押し込まれている。 開いているものなど、ない。 「あれも夢だったのかあ」 真理子は手ぐしで髪を整えながら、鏡に向かった。 右側の毛先だけが、重力に逆らって跳ね上がっている。
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