4:身近なところに敵がいる

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「あーあ、まったくもう」 真理子はそれをピンと指先ではじいて、背を向けた。 痛んだ髪が、光を乱反射しながら肩で揺れる。 「なんで、もっと楽しい夢がみられないのかなあ」 ふう、と大きく息を吐き出して、床の上でクシャクシャになったままのスカートに気がついた。 孝が来たときに脱いだままだったのを、ようやく思い出した。
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