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真理子は椅子に腰掛けると、机に鞄を放り投げた。
その反動で、鞄のポケットからハンカチが飛び出す。
それと一緒に、小さな音がして、ピアスが転がり落ちてしまった。
「あっ」
真理子が思わず声を上げる。
ピアスはコロコロと転がりながら、埃っぽい棚の下に飛び込もうと、一直線に進んでいく。
しかし、
「あっ、ぶない」
という声がしたかと思うと、肉付きのいい八木の手がピアスを上手く受け止めたのだった。
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