2:夢という名の言い訳

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「どういうこと」 真理子は心臓の音が、いつもよりも速くなるのを感じていた。 しかし顔には出さないように努めた。 平静を保っているように装わなければならないと、頭の奥底から指令が下されたような気がした。 「何があったの」 声は震えなかった。 いや、こんな場合には震えていたほうが自然なのだろうか。 手遅れだと分かっていても、再度自分の声を点検するが、普通の女子高生がこんな場合にどのような様子になるのかなんて想像できなかった。 クラスメートが殺された場合なんて、そうそうめぐり合うものじゃない。
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