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「なんか、最近つけ始めたみたいだよ」
視線を落とすと、傷だらけの机にスナック菓子のくずが乗っている。
爪で弾くと、軽く跳ねて跳んで、薄暗い床に消えていった。
「最近……かあ」
八木は独り言のように呟いていた。
何か考えるように頭をかきながら、ぼんやりと真理子を眺めている。
時々、何かを言いかけるように口を開いたが、思い直したように、すぐ閉じてしまう。
それが、余計に真理子の不安をかき立てていった。
何か、気になることを言われてしまいそうで。
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