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「はい」
八木が目の前に置いたプチショコラを、真理子は貪るように食べ始めた。
一つ、二つどころではない。
三つも四つも一度に掴んで、入るだけ口に押し込んでいく。
その姿は、あまりに異様で。
とても見ていられるものではなかったのだけれど、八木は安らかな微笑みさえ浮かべてそれを眺めていた。
頬杖さえつく、その余裕が、かえって今の光景を不気味なものにしている。
「そのピアスさあ……」
八木は、真理子が最後の一つを飲み込むのを待って、言った。
「奈美ちゃんの鞄に入れてみたら?」
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