4:身近なところに敵がいる

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2人は、すっかり人気のなくなった廊下を歩いて行った。 真理子の目は、開かれてはいるものの、何も見ていない。 異様な光を帯びている瞳は、今までにないくらい透き通って見えた。 どこに行くのか、八木は言わなかったし、真理子もまた尋ねなかった。 それでも、2人は黙って歩き続けた。 ようやく立ち止まった時、真理子はぼんやりとした視界のどこかで、そこが自分の教室であることを知った。
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