4:身近なところに敵がいる

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「大丈夫だから。出して。ね?」 真理子が小さく頷いてピアスを取り出すと、彼はそれを包んでいたハンカチで丁寧に拭いてから、机に置いた。 淡々とした彼の行動を、まるでテレビでも見ているかのような気分で眺めていた。 目の前で行われているようには、とても思えない。 どこか、人事のようにしか、思えなかったのである。
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