4:身近なところに敵がいる
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奈美はしまいかけた鏡を再び取り出すと、覗き込んだ。 右の髪をかき上げ、ピアスに触れる。 そして同じように、左側のピアスも確かめてから、おかしいなとでも言うように小さく息を吐き出すのが分かった。 「孝のかな……」 その呟きは、かすれていて、ほとんど聞こえなかった。 それなのに、やけに真理子の耳にこびりついて離れなかった。
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