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扉を開ければ、足の踏み場もないほど靴が溢れている小さな玄関。
そこを越えるとすぐに、空になったカップ麺が山積みにされた台所があって、その奥は八畳くらいの和室になっていた。
畳んだことなど無さそうな布団は、すっかり膨らみがなくなって、つぶれている。
その上に、どっかりと腰を下ろす孝。
そして、寄り添う奈美の姿が目に入った。
孝は、奈美の髪に顔をうずめながら、彼女のブラウスの裾から手を忍び込ませている。
奈美は目を瞑って、クスクスと笑い、孝の頭を撫でていた。
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