5:境目のない世界

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「だって、孝は私のものっていう印なんだよお?」 奈美が拗ねるように言いながら、彼にピアスをつけ始める。 しかし孝は、おとなしくしているどころか、奈美のブラウスのボタンをせっせとはずし始めた。 「もうっ、ちゃんと聞いてる?」 笑いながら奈美が身をよじると、彼は腰を捕まえて動けないようにしてから、囁いた。 「聞いてるって。ほら、あぶねえんだから、ちゃんとつけろよ」 「はいはい」
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