2:夢という名の言い訳

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自宅の机の上でデジタル時計が0時を表示したとき、真理子はオレンジ色のチェック模様が表紙のノートを広げていた。 電気はつけられていない。 手元を照らすアンティーク製のランプの明かりだけを頼りに、手を動かしているのだった。 彼女は毎晩ノートに日記をつけていた。 内容は、もちろん今日の出来事や、それに対する感想など、通常のものと変わりない。 変わっている点といえば、夢で見た出来事も、事細かに書き記しているということだろうか。 今は、奈々を殺す夢をみたこと、そして現実に奈々が死んだのは不思議だというような内容を書いているところだった。 いつになくすらすらと筆は進み、あっという間に2ページ目に突入している。 風呂上りのせいか、頬は赤く染まっていた。
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