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ノートを閉じ、ランプを消すと、部屋はあっけなく暗闇に包まれた。
しかし、何も見えないほどの完全な闇というわけではない。
ちょうど部屋の窓の向こうに街灯があるので、その白い光がカーテンの隙間からもぐりこんでくるのである。
レースの形に切り取られた影が、ぼんやりと掛け布団の上に浮かぶ。
真理子がベッドに滑り込むと、影は嫌がるように身をよじったが、すぐに何もなかったかのように静かになった。
ぼんやりと天井を眺めると、染みがないか点検する。
壁と同じ、くすんだ白で統一されている天井。
しかし、ちょうど真理子の真上の辺りに小さな染みを作っているのを見つけた。
茶色っぽい薄い染み。
今ならまだ、すぐにふき取れば落ちてしまうのではないかと思うくらいの、染み。
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