1:プロローグ

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商店街も終わりに近づいたところで、角を曲がった。 そうする時も、決して速度が緩められることはない。 少女はためらわなかった。 ためらう必要性も感じてはいなかったのだ。 彼女の表情には何も表れていなかった。 眉も瞳も、まぶたでさえも動かない。 呼吸すら、していないのではないかと思うほどだった。 体温を感じさせないものが、そこには確かにあった。
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