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「殺人事件なんだから、もっと大きく載るのかと思ってたのに。なんか残念だなあ」
いつになく心のこもった口調で言う言葉がこんな内容のものなのだから、呆れてしまう。
それでも、
「うちの学校、たいして有名じゃないから、しょうがないんじゃない?」
という真理子の言葉に、うなるように同意の声を上げた。
「でもさあ、奈々って、お兄ちゃんなんていたんだねえ。知らなかった」
週刊誌を丸めて肩をとんとん叩く姿は年寄りのように見えたが、真理子は口に出さなかった。
「私も」
顔を上げると、やっぱり空席のままの奈々の机が見えた。
席替えをしたら、次にあの席になるのは誰なのだろうか。
そんな考えが、ふと頭をよぎった。
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