1:プロローグ

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少女がやってきたのは、とある一軒家だった。 前まで来ると、ようやく足を止めて見上げる。 その先には、二階の窓で揺れるピンク色のカーテンがあった。 明かりはついていない。 その奥で眠っているだろう住人の寝顔がチラリと頭をよぎっても、少女の顔に変化は見られなかった。 呼吸をすることも、まばたきをすることも忘れてしまったように、少女は静かに立っていた。
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