2:夢という名の言い訳

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「なに突然ノート書いたりして」 「静かにしてよね。授業中でしょ」 真理子がすまして言ってやると、奈美は下唇をぺろりとなめた。 「さっきのメールのせいでしょ」 真理子は答えない。 それを肯定と受け取って、彼女は気を良くして続けた。 「孝からでしょ?」 「まあね」 小さく鳴らした口笛は、ただ空気が洩れただけの音にしか聞こえない。 しかし、そんなこと気にする様子もなく、奈美は重ねて尋ねた。
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