2:夢という名の言い訳

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よく焼けた肌から、あついくらいの体温が伝わってくる。 目の前をぶらぶらとゆれる指は、焦げたような色。 しかし気が付いていた。 薬指の付け根が数ミリ、白く焼け残っていることに。 そしてそれが、ペアリングのあとであることにも。 「孝、あつい」 「えー、それって、離せってこと?」 「そう」 あっさりと言われると、孝はちょっぴり肩をすくめて見せた。 しかし、肩に乗せられた腕はおろされるでもなく、そこに居座ったままだ。
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