2:夢という名の言い訳

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「なんでもないっすよ。ちょうどこれから、真理子ちゃんの家に遊びに行かせてもらうところで」 「あらあら、楽しそうでいいわねえ」 女性は孝の髪の色をしげしげと眺めながらも、手探りで鍵を取り出すと、ドアを開いた。 「どうぞ」 女性がガサガサ音を立てて入っていく。 「ちょっと」 真理子は女性に聞こえないほどの小さな声で言ったけれど、孝はわざとらしく 「なに?」 と大きな声で返すものだから、それ以上何も言うことは出来なかった。
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