2:夢という名の言い訳

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楽しげに世間話をする女性に機嫌よく相槌をうちながら、孝は結局、真理子の家の部屋までついてきた。 「これ、安かったからたくさん買ってきたのよ。 良かったら、おやつに食べてちょうだい」 そう言って孝にクッキーの箱を押し付けると、女性は扉を閉めた。 「ラッキー」 嬉しそうに微笑む孝に 「なにしてんの。早く入ろうよ」 とせっつかれて中に入ると、彼はまるで自分の家のように、遠慮なく上がりこんできたのだった。
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