2:夢という名の言い訳

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「変わってねえなあ」 孝は見回しながら、ソファーに腰を下ろす。 それから、早くもクッキーの箱を開けて、一つを口に放り込んだ。 「あ、テレビ変えたんだ。でかくなってんじゃん」 楽しそうに笑って、勝手に電源をつける彼を横目に、真理子は麦茶を注いだ。 「はい」 「サンキュー」 真理子は、ローテーブルにコップを2つ並べると、ソファーの上からクッションを一つとって、テーブルを回っていった。 「どこ座るんだよ」 「こっち」 彼女が指差したのは、ローテーブルを挟んで、孝と向い側。 その場所に目をやると、彼はしかめっ面をした。
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