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「あれは、確かに俺が悪かったよ。
でもさ、あいつが強引に家に引っ張り込んだんだって」
家に引っ張り込むのは強引だったとしても、そこにいくまでの道のりは孝が自分の足で歩いて行ったのを、真理子は知っていた。
そして、その足取りが、いつになく軽やかだっただろうということも。
「目の前でいきなり服、脱がれたらさあ……。
なんつーか、やっぱり見ちゃうじゃん?」
当然のように言う彼が、見ていただけではないことも分かっていた。
そこで見ただけで帰った、というのなら、あんなことにはならなかったのだ。
『孝は私が好きなんだって』
奈々の小馬鹿にしたような声が聞こえた気がして、思わず身をよじる。
それをどう受け取ったのか。
孝はここぞとばかりに強く抱きしめると、真理子を自分の側に引き寄せるようにして、ソファーに押し倒した。
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