2:夢という名の言い訳

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真理子は夢の中で制服を着て、高校の下駄箱に立っていた。 すると、その少女がやってくるのである。 少女は高い位置で一つにまとめられた髪をなびかせて、靴を履きかえると、校門に向かって歩き出す。 その後ろ姿を、じっと真理子は見つめている。 それだけの夢だった。 しかし、立て続けに同じ夢を三日も見続けるというのも可笑しなことだ。 真理子は不思議に思いながらも、日記にその事を書き記した。 それ以上のことは、特に考えなかった。 ただの夢。それくらいにしか思わなかったのである。
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