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会話を続けながらも、冷蔵庫はみるみる赤で埋め尽くされていく。
その眺めは圧巻で。
毒々しい赤の間から金が覗く様は、なにか新しい美術のようだった。
「すごい量」
「そう?」
大して気にしていない八木に、真理子は訊ねた。
「八木くんって、こんなにお菓子買うほどお金あるの?」
「うーん。ぼく、お菓子以外のものにはお金使わないから」
「食べ過ぎて、糖尿病とかにならないでよね」
なかば本気で言ったのだが、彼は冗談だと思ったようで、豪快な笑い声を響かせるばかり。
小さく溜め息をつくと、真理子はまだまだ机に残った箱に八つ当たりするように、隙間を見つけては強引に突っ込んでいった。
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