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「外泊が続いていたので、薄々感づいてはいたんですよ。
でもね、まさか私の夫に限って、と思っていたんですよね。
なのに、なのに……」
演技なのか本当の感情なのか分からなかったが、突然突っ伏して泣き声をあげ始めた彼女の声は、大げさなくらい大きい。
真理子は、タオルを頭にのせたまま、リモコンを手繰り寄せて、電源を消した。
部屋には再び静けさが戻る。
タオルが髪をこする音だけが、小さく響いていた。
それから真理子は、タオルを洗濯機に放り込むと、ドライヤーをかけることなくベッドに突っ伏した。
体が、鉛のように重かった。
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