578人が本棚に入れています
本棚に追加
少女は、いつも夢で見る少女で、やはり同じように制服を着ていた。
しかし、髪をおろし、背中の半ばまでたらした様子は、いつもよりも彼女を大人っぽく見せている。
2人は真理子に気付く様子もなく、エレベーターに乗り込むと真理子の前に背を向けて立った。
そして五階で、3人は自然に降りる。
孝は上機嫌で口笛なんか吹いているが、少女は青ざめた顔をして部屋に入っていく。
真理子もその後を追った。
部屋は綺麗に片付けられていて、家具も最低限のものしか置かれていない。
ワンルームのこじんまりとした部屋は、ベッドで部屋の半分は埋まっている。
ベッドの向こうに見えるベランダには、たくさんの葉を茂らせた赤い花が、植木鉢に植えられていた。
最初のコメントを投稿しよう!