狂い始めた歯車

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 雲一つない青空の中を額に、うっすら汗を滲ませていつものように川沿いを歩いて登校する。 どこにでもいるごく普通の高校生、中川武(たけし)。  黒い髪に細くて筋肉質な体、そしてなによりバランスのとれた顔。 まさに美男子というのにふさわしい顔立ちである。  その横で背中を丸めてタオルを頭にかけながら歩いている、川口翔(しょう)。  茶髪に染めたすこし短めな髪に少し吊り上った眉毛が特徴の整った顔立ち。 武を美男子というならば翔はイケメンといったところだろう。
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