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すすり泣きの正体は蜜柑だった。
屋根の上でパジャマのまま三角座りで涙を流してた。
棗は何も言わないで蜜柑の隣に腰をかけた。
「……」
「……」
無言が続いて蜜柑は涙を拭きながら棗の横顔を見た。
(棗…もしかして気にかけてるんか?)
蜜柑は恐る恐る出来事を話し始めた。
「あ、あんな……夢を見てん」
「……」
「学園を卒業した夢を見たんや。
そんでな、京都に戻ったら…グスッ」
思い出したのか拭いた目尻に涙がたまり
「んでな、じいちゃん…スッ、おらかってん」
我慢できなくなったのか頬を伝ってパジャマに染みがついた。
「そんでな、じいちゃん、ずっと待ってたんや。結局待たずに息をひき、とって…グスッ
うち、お父ちゃんもお母ちゃんもいいひんからじいちゃんいなくなったら…うっ、うっ…うわぁぁぁぁ!!!」
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