―1―

12/20
前へ
/20ページ
次へ
夕飯の準備をしていると、玄関が騒がしくなっていた あの双子どもが帰ってきやがった さぁ、身を構えて… トトトトッ 「「にぃ~ちゃんっ!」」 どーんっ 「うごぉっ! …って!、ちょっ腰にぶつかるなってあれほど言ったよな!?」 「ごめん~兄ちゃんの腰があまりにも可愛いくて、つい~」 「俺もっ右に同じくっ!ついやっちった☆」 「ついじゃねーよっ!ほんと毎回毎回夕飯の準備中に突進してくんじゃねーよ!」 このイノシンの如く突っ込んでくる双子 文香(あやか)と葉(よう)だ 中一で近くの公立の学校に通って成績優秀で可愛い自慢の妹と弟 だが 少々ちっこい頃に構いすぎたのか、親離れが出来ているのに兄離れが出来ていねぇ… 何かと家にいると引っ付いてきやがって、甘えてくる 「兄ちゃん、今日の晩飯なに?」 「舞茸の炊き込みご飯とサバの滝田上げに白菜とツナのみそ汁だよ…、葉そこにいたら火傷すんぞ?」 「火傷したら、兄ちゃん傷口舐めてね?」 「……芥子味噌を塗ってやるよ」 目に入れても痛くない可愛い妹と弟だが、よく分からねぇことを言ってくる やっぱり教養があるやつは違ぇのか… さすが俺の兄弟
/20ページ

最初のコメントを投稿しよう!

25人が本棚に入れています
本棚に追加