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あたしの放課後の予定は、3ヶ月前からもうずっと決まっている。
「あやみーん、今日も行くのー?」
長年の幼馴染みから、からかうような口調で言われるけど、そんな事は気にせずあたしはこくりと強く頷いた。
「綾美(あやみ)、アンタ部活は?今日“も”休むの?」
今度は、真逆の怒ってるような顔をした親友から。
今日は邪魔がよく入る日だなぁ‥
「お願いっ…今日は10分、10分だけ見たらちゃんと行くからっ!」
両手を合わせて、必死にあたしはそう言う。
じっと居抜かれるような鋭い目で見られて、背中にだらだらと見えない汗をかいてるような気がしたけど、あたしはそのままでいた。
「━━━━10分だけよ?」
通さないように塞いでた教室のドアから退いて、親友は呆れたようにそう呟いた。
「~~~っ!!ありがと、真緒(まお)ちゃんっ!」
あたしは、満面の笑顔を浮かべて真緒ちゃんに抱きつくとさっさと教室から飛び出した。
愛しい愛しい“あの人”の為に。
大好きで大好きでたまらない“あの人”の姿をほんのちょっぴり、見に行く為に。
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