身体だけの彼女

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「つうか会いたい奴とかいるー?」 ミチオの問いかけに、持ち上がっていた頬が強張るのがわかった。 「俺、レナちゃん」 谷が言うと、「お前、三回振られたっけ?」とミチオが思い出し笑いをした。 「違う。ニ回だ。回数増やすな。バカ」 谷は整った顔をしている。 生まれるときに、プロの掘り師にでも掘って貰ったのかと思う程、パーツのひとつひとつがバランス良く配置されている。 それと人当りがいいせいか、男女分け隔てなく話せる。 教室の真ん中から端っこにいる奴にまで態度は変わらない。 だからか、中学のときもモテたし、高校、大学と学校は違うけど彼女が常にいた記憶があるから今でもそれは変わらないのだろう。 女に困るなんて男にとっての食糧危機みたいなものを感じたことなどないのだろうと思う。 ちなみに俺は一年程、彼女なんかいないけど。
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