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減り続けると、人はひとりだと思ってしまう気がしたのは、ミアを見てたせいだ。
俺はミアと出会うまで、ひとりの寂しさなど考えたこともなかった。
だから、そんなことが理解出来なかった。
人はひとりだと考えてしまうのはどうしてなんだろう。
ひとりであるということをあれほどまでに意識してしまえるのはどうしてなんだろう。
そういう生き物だからと言ったら、それまでだけど。
ミアはたぶん、その意識がとても高かったのではないかと、振り返ると今でも思ってしまうんだ。
ただ、その頃の俺は、友達にも親にも与えられたことのない感情を、恋は与えてくれるのだと思うと嬉しかった。
そんな感情があるということを初めて知れたのだから。
その存在がミアということが嬉しかったんだ。
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