最愛の彼女

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夢じゃないんだって、ミアの身体を強く抱きしめて、触れて、温かさを確かめた。 ほっとしたせいか、「なんか感動した」って言ってしまった。 だって、胸が震えるってそういうことなんだろう。 「感動?」 「たぶん。どんな映画を観たってこんな気持ちになれないと思う」 「…うん」 「ミア。もう一回言って?」 「えっ?」 「さっきの言葉。もう一回言って」 「さっきの言葉?」 頷いて「プレゼントして」って耳元で囁いた。 だって少し恥ずかしかったから、顔が見れなかった。 それから、なにか可笑しいのかミアはクスリと笑ってみせた。 「ヒロム。好き」 「もう一回」 「ヒロム。大好き」 だけど、急に眉間にしわを寄せ、難しい顔で「違うかも」と呟いた。
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