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ミアが。
ミアが、俺を求めるのは。
ただ、寒いから、コートを羽織ってマフラーを首に巻く。
それと一緒なのではないかって思った。
温かくなったら、脱ぎ捨ててしまえるようなもの。
それの存在価値は、どれ程のもの?
スニーカーの中のつま先は冷たさでジンジンと痛みだした。
風は雪を乗せて吹き付けるから、俺を切りたいのかと思った。
冬の寒さは、人恋しい。
違う。ただ痛いだけだ。
いつも恋しい。
ミアが、ただ恋しい。
キスをしても、道を歩いてても、学校を休んだ日でも、怒った顔をしてても。
涙が温かい気がしたのは、きっとそのせいだ。
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