6人が本棚に入れています
本棚に追加
/30ページ
ピッ..ピッ..ピッ..
静かな病室に心拍数の電子音だけが響く。
手術室から出てきた亜貴。
あれから3日間経ったけれど、未だに亜貴は目を覚まさない。
「亜貴…」
そっと亜貴の頭に手を置き、髪に指を絡ませる。
「ごめんね、亜貴」
「………」
「反応しないか…」
「………んっ……」
?何か聞こえた――?
でも、亜貴を見ても亜貴は、さっきと同じまま、目を閉じて規則正しい呼吸をしている。
「…気のせい、か…」
一瞬、亜貴が起きたのかと期待したのに…。
「ねぇ亜貴…、いつになったら美和って呼んでくれるの…?」
髪から頬へ撫でる手を下ろす。
と、その時。
「……ふっ、くすぐってぇよ」
「!?!?!?亜、貴――?」
「おぅ、はよ、美和。いい子にしてたか?」
亜貴が目を覚ました。
体の痛みからか、辛そうな笑顔で――
最初のコメントを投稿しよう!