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「なにがいい子にしてたよ。心配かけさせて…」
「うん、ごめん。ごめんな、美和」
「うぅ…、ばかだよ、亜貴のばか」
それから、看護師に亜貴が目を覚ましたと、伝えた。
嬉しい半面、悲しくも辛くもあった。
これで、亜貴にもわかってしまうのだから。
ごめんね、亜貴――
「亜貴、お花変えるね」
「……あぁ」
先生と話があるからと、席をはずした。
亜貴の様子からわかった。知ってしまったのだと。
「…聞いたんだね、亜貴」
「……んで」
「………」
「なんでこうなんだよっ」
「……亜貴…」
亜貴は布団を思い切り叩いた。
握った拳と肩は、悲しさからか悔しさからかわからないけど、微かに震えていた。
「なんでなんだよっ!」
「…ごめんなさい。ごめんなさい、亜貴」
「……美和」
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