6人が本棚に入れています
本棚に追加
/30ページ
「ごめんなさい、ごめんなさい。亜貴の、未来、壊してごめんなさい」
「…なんで美和が謝るんだよ」
「…だって」
“亜貴をこんなにさせたのは、私でしょ?”
そう言えば亜貴は、
“そしたら、お前がこうなってただろ。むしろ、守れて誇りだよ”
って言った。
どれだけ優しいのかな、亜貴は。
「…美和、最期まで傍にいてくれるよな?」
「当たり前だよ、ずっとずっと、一緒だよ…?」
「そりゃ安心だ…」
「だからね、亜貴」
“泣いていいんだよ――?”
そう言ったら、馬鹿野郎って言われた。
「クソッ、…んでだよ」
「ごめんね、亜貴」
その日はずっとずっと、2人で抱き合って泣いていた。だって
“亜貴くんの命は、持って後半年でしょう”
11月上旬。それは、悲しい事実の、始まりでした――
最初のコメントを投稿しよう!