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「ただいま…」
「あら、おかえりなさい」
リビングからお母さんが出迎えてくれた。
「ちょうど今、お菓子用意してたところなの。食べる?」
「うん、食べる」
記憶がなくなって以来、こうしてお母さんはパートから早めに帰ってくることが多くなった(らしい)。
お父さんはIT会社に勤めていて、忙しいらしい。
けど、休日なんかはよく一緒にTVを見たりする。
両親はとても優しい。
なんだかんだで、私は恵まれているのかも、しれない。
「お紅茶用意するから、ちょっと待ってて。すぐ用意するから」
「じゃあ、部屋に鞄置いてくるね。出来たら呼んで」
「はぁい」
そうお母さんに伝えて、2階の自分の部屋に向かった。
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