王城突入

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       † (さて……確かダスは……) 第1支部のありの巣のように複雑な通路を、マロウは辺りを見回しながら歩いていた。 ダスが言うには、早ければ今日中にでもジャッジメントが攻めてくるそうだ。 ならそれに備えて準備をするべき――というのは理解していたが、クナイの洗浄を終えた今、準備しなければならないことはもうなかった。 故にマロウは、空いた時間であることをしようとしていた。 (ここですね……) 一見ただの廊下。 が、マロウの瞳は廊下の壁のある一点を鋭く見据えている。 マロウはそこへゆっくりと歩み寄り、壁にそっと手を当て、グッと力を込める。 するとそこを中心として正方形に壁が陥没し、ガコン、と重い音を響かせる。 そのまま陥没した部分が右にスライドし、奥に三つのボタンが現れる。 それぞれ色が違い、端から赤、青、黄だ。 マロウが迷いなく赤いボタンを押すと、背後からカコン、と小さな音が耳に届いた。 マロウは音の方向へ向かい、また何もないただの壁を押す。 壁は少しの抵抗と共に、人一人がギリギリ通り抜けられる程度に向こう側へと開いた。
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