王城突入

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「…………」 マロウは無言でその中へ入り、真っ暗な視界の端にチラリと映った電灯のスイッチを押す。 明かりが灯ると共にマロウの視界が広がり、ちらかった部屋全体が視認可能となる。 マロウは無言のまま脇にあったデスクに向かい、一番上から順に引き出しを開けていく。 そして三つ目の引き出しを開けると、ピクリと肩を軽く跳ねさせて動きを止めた。 「コレハ……」 手に取ったのは一枚の写真。 マロウはしばらくその写真を見つめていたが、やがてそれをポケットに突っ込み、入ってきた時と逆の手順を辿って部屋を閉じた。 「ダス、アナタハ……ダカラ……」 小さく呟き、唇を軽く噛み締める。 たった今行き着いた考えがもし正しければ、マロウの今からの行動は一つに決まる。 「マァ、正シイカドウカハ関係アリマセンガ」 どちらにせよ自分にはこの選択しか残されていない。 後一つ、あるにはあるが、そちらは可能性が限りなく薄い。 そんなものに賭けるわけにはいかない。 「アナタノ思惑通リニハサセマセンヨ、ダス」 自分の決心を確認するように呟き、マロウは来た道を戻っていった。
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