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部屋を埋め尽くすように置かれた無数のパソコン。
液晶画面の発する淡い光で、部屋は幻想的な雰囲気を放っている。
そんな異様な部屋の中心に置かれたやけにゴツい椅子に座る少女と、その背後には茶髪の男が一人。
「さぁて、今回は君にも活躍してもらうよ。向こうには結構な腕のハッカーがいるみたいだからね。ソアラちゃん」
声を聞き金髪の少女、ソアラが振り返る。
「はい。精一杯頑張ります」
艶やかな金色の髪を揺らして微笑むソアラに、男、ロジーは顔をしかめた。
「頑張る?それじゃダメだ。ダメダメだ」
言いながらロジーは懐から小さな箱型の機械を取り出し、ソアラの座る椅子から伸びるコードに繋げてから彼女に手渡す。
「実感が湧かないかもしれないけど、君は結構重要な役だ。頑張るじゃなく、絶対に成功させると断言してもらわないと困る」
「あ、その、すいません。絶対、絶対に成功させてみせます」
申し訳無さそうに俯き、再度顔を上げて意気込むソアラに、ロジーは満足げな笑顔を向けた。
「それでいい」
しかしその笑顔は耳元から流れたノイズに打ち切られる。
ロジーは数秒そこからの声に耳を傾け、最後に一言だけ“分かった”と告げて回線を切った。
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