王城突入

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「さっきのほんの少しの間に、侵入可能部分の検出、トラップの生成、設置、全てを行ったって言うのかい?」 「はい」 ロジーの問い掛けに淀みなく頷くソアラ。 その表情は余裕そのものだ。 「……予想以上だよ。これなら安心できそうだ。じゃあ俺はもう行くから、後は頼んだよ」 「分かりました」 微笑むソアラを背に、ロジーは部屋を出る。 背後で扉が閉まるのと同時に、ロジーは虚空を見上げてため息をついた。 「ほんと、ここのセキュリティーが一瞬で突破されたのも頷ける。とんだ天才もいたもんだな。味方で良かった」 さて……、と呟くと、ロジーは正面に黒い渦を発生させる。 「俺も戦争の準備をしなくちゃね。っと、その前に」 狂気の笑みを浮かべ、ゆっくりと渦に足を踏み入れると、次の瞬間にはロジーは王の間にいた。 「おお、ロジーか。どうした?何かあったのか?」 王座に座り、ジッと何かを考えていたブノアは、ロジーの存在に気づき、その顔に微かな微笑みを浮かべる。 「明日、早ければ今日の夜には、ジャッジメントとの全面戦争だからな。王様には退避していてもらわないと。殺し合いは俺らの仕事だ」 「勝率は?」 顔を引き締め、重々しく問うブノアに、ロジーは少し肩をすくめる。
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