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「ヘブンズゲートの開き方、です」
「……ほう……」
「あまり驚かないんですね」
「まぁな」
それなりのことは言ってくるだろうと予想していたから特に動揺はしなかったが、何の前置きもなく言われていればクロードは思わず腰を浮かせていただろう。
が、これでサフェスの考えが分かった。
サフェスはクロードの最終目的を、ヘブンズゲートを開き、パンドラを解放することだと思っていると、クロードは確信した。
「で?その情報の代価は?」
同時に理解していた。
この男が今のタイミングでこの話のに、何か狙いがあることも。
何故知っているのかはあとで聞くとしよう。
今はあまり時間がない。
完全には信じられなくとも、ある程度の信憑性は期待できる。
サフェスはそういう人間だ。
「さすがロード。ご理解が早くて助かります」
不気味な笑みを深め、サフェスは懐に手を入れる。
取り出したのは、一枚の写真だった。写真には黒い逆立った髪をした、柄の悪そうな男が映っていた。
そして、クロードはこの男に見覚えがあった。
「こいつは……以前襲撃してきた中にいた……」
「はい。ヴァイル=サーステッドという者です」
鉄を操るチーム・フォースの一員。セリアの話では戦闘からはすぐに離脱したらしい。
「こいつがどうかしたのか?」
クロードの問いに、サフェスは少しだけ笑みを深めた。
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