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――地下牢――
薄暗く、王城の中で唯一清掃が行き届いていない場所。
国家に反逆した者、もしくはそうと思われる者が収容される場所。
釈放などという概念は基本的に存在しない。
入ったが最後、処刑か、自害か、寿命か、どの道あの世への道しか用意されていない場所。
絶望という名の静寂を通り越した静けさが充満するそこに、一つの怒鳴り声が乱入する。
「放せよ!ふざけんな!俺はチーム・フォースだぞ!ダスはどこだ!話しをさせろ!」
逆立つ黒髪、ボロボロの戦闘服、それに絡みつく無数の鉄の鎖。
「うるさいぞ。以前がどうであろうと、今はただの反逆者だ。大人しくしていろ」
「クソが!誰が大人しくなんかするか!俺はぁ!」
悔しそうに背後で固定された両の拳を握りしめる男の名はヴァイル。
気を失い、意識を取り戻した時にはすでに手錠をはめられ、運ばれている最中だったのだ。
「無駄だ。ほら、ここがこれからお前が死ぬまで暮らす場所だ」
「――ぐっ!?」
埃のたまった床に放り出され、手錠のせいで上手く受け身も取れずに倒れ込んだヴァイルは小さく呻き声を上げる。
ヴァイルを連行してきた者達は、その姿を尻目に高笑いしながら地下牢を出て行った。
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