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そばで何かが動いた気配がして、ゆっくりと目を開ける。
開ききらない目で捉えたのはベッドで上半身を起こした秋吉の姿。
「ん…秋吉…起きた?」
寝起きの回らない頭に浮かんだ言葉を声に出す。
「ご、ご、ごめん!こんな朝まで…てか布団も出さずに…寒かったよね…なんかホント申し訳ない…。」
秋吉はベッドの上で正座に座り直すと頭を下げる。
「いや、別に寒くなかったし。大丈夫。」
秋の入口と言ってもまだ残暑の日々、布団などなくても十分過ごせる。
「ホント何のお構いも出来ず…」
「病人が何気遣ってんだよ。」
大丈夫だったと言ってもベッドの上で下を向いて小さくなっている秋吉が可愛くて、思わず秋吉の頭に手を伸ばしてしまった。
「どう?体は?熱は?」
無意識で出た自分の行動が恥ずかしくて、それを誤魔化して熱を測る様に手を秋吉のオデコに移動させる。
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