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告白前ならきっと都合をつけてでも秋吉に会いに行っていたと思う。
仕事が忙しいから…
それを理由にして秋吉に会わないようにしている自分がいる。
会ったらどう接していいかわからない。
電話でも気まずいのだ。
生身の秋吉なんて…とても耐えられそうにない。
「でもよ、ずっとこのままって訳にもいかんだろ?」
高橋の声が俺の思考を遮るように耳に届く。
「ん…ああー…まあな…。」
「このまま会うことなく、関係も深まらないまま、そしてそのうち電話もしなくなり…。はい、サヨナラってオチも嫌なんだろ?」
「……。」
高橋の言葉通りの展開を想像してしまった俺はビールジョッキを見つめたまま静かに落ち込む。
「会うのも気まずい、でもこのまま終わるのも無理ってなると、アレだな!秋吉サイドの動きに期待するしかないな!」
「……それ、絶対ねーし。」
高橋の発言に冷たい視線で答える。
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