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秋吉が熱を出して部屋を訪れたあの日、思わず伝えてしまった自分の気持ち。
翌日、恥ずかしいのと秋吉に断られて2人の関係を終わりにしたくなくて咄嗟に「付き合って欲しいとは思ってない」と本心ではない言葉を言ってしまった。
本当は違うのに。
俺を好きになって欲しかったし、
付き合いたいし、
秋吉にもっと近づきたいし、
もっと触れたい。
「…秋吉。」
不意に自分の中に中学生の俺が姿を現す。
「はい…。」
そして目の前には中学生の頃の秋吉がいる感覚に陥る。
当時もし秋吉の事を傷つけていなかったら、体育館裏にでも秋吉を呼び出して俺は告白をしていたかもしれない。
やっと…だ。
「好きだ。付き合ってください。」
中学生の俺と今の俺の気持ち。
秋吉の顔を見て思いを伝える。
数秒沈黙があった後、「…はい。」と消え入りそうな声で秋吉がこたえてくれた。
泣きそうな、恥ずかしそうな顔をして、「心臓が…死ぬ…。」と呟く彼女が可愛かった。
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