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駅構内に入ると駅を利用する人と駅付近のデパートを利用する人で人通りが多くなる。
人を避けながら駅構内を歩いていく。
人を避けると秋吉と距離が出来たり、縮んだりする。
秋吉が人を避けた瞬間俺の体に秋吉の体が触れて距離が縮まる。
「ご、ごめん。」
秋吉が謝ってくる。
「いや。」
秋吉の手を握るというだけで、こんなに緊張するとはは…中学生で初めて出来た彼女かよ！？と自分にツッコミながら、距離が縮まったこのタイミングで思い切って秋吉の右手に向かって自分の左手を動かす。
秋吉の指に指先が触れた瞬間だった。
前から来た人を秋吉が避ける為に左側に動いて、秋吉と俺の間を人が通って行く。
…完全にタイミング逃した。
動かした左手が行き場を失い、バツが悪くて上着のポケットに手を仕舞う。
あたかも元々上着に手を入れるつもりだった風を装い…。
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